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    29 October

    明日は重陽節-九月九日山東の兄弟をおもう

    明日は重陽節。といってもそれほど詳しいわけではない。広辞苑によると五節句のひとつとある。五節句とは正月(1月1日)、ひな祭り(3月3日)、端午の節句(5月5日)、七夕(7月7日)、重陽の節句(9月9日)のこと。日本にいる時、正月やひな祭り、端午の節句、七夕はお祝いした記憶があるが重陽の節句は憶えがない。広辞苑には宮中の観菊の宴とある。つまり一般庶民は関係ないのかな?
     
            九月九日憶山東兄弟
                                   王維
           独在異郷為異客
           毎逢佳節倍思親
           遥知兄弟登高処
           遍挿茱萸少一人
          
            故郷を離れ一人暮し
            重陽節の時は特に家人を思う
            今頃きっと兄弟たちは腰に茱萸をさし高台に登り
            私がいない事を残念がっているだろう
     
    周囲の中国人に重陽節について聞くと老人の祭りとか言っている。また特に何かをしたりすることもないようだ。
    明日、できれば私も腰に茱萸をさし高台に登り、日本の友人に思いを馳せたい。
     
           
     
    24 October

    古代人を偲ぶ古代人たち-女流詩人、李清照と項羽

    前回、古代人を偲ぶ古代人を書いた。今回、同様の詩を思いついた。宋の女流詩人、李清照の絶句。
     
                      絶句
                           李清照
     
    生当作人傑
    死亦為鬼雄
    至今思項羽
    不肯過江東
     
    (項羽は)生きては豪傑となり
    死してなお英雄となった
    いまもまだ項羽を思う
    逃げずに自刎した彼を
     
    これは宋(960-1279)の李清照(1084-1151)が秦(前221-前206)末の武将、項羽(前232-前202)を思う詩。項羽は秦の暴政により苦しむ人民を救おうと立ちあがり、その超人的な戦闘力により多くの戦いで勝利するも最後は垓下で劉邦に敗れる。その際、川べりに追い詰められた項羽は船で逃げようと思えば逃げられたのだが、ここで逃げては決起した時に江南から連れてきた8000人の若者の父母に会わせる顔がないといい自刎してしまう。李清照の詩の、死してなお英雄となった、とはこの行為を指している。同時に、彼女の生きた宋の時代、異民族の金に侵略され南方に逃れ南宋を建てた皇帝の不甲斐無さを諷刺している。
     
     
    18 October

    古代人を偲ぶ古代人たち-杜甫の八陣図

    この間、上海で中国現地の小学校に行っている小5の女の子に国語の教科書を見せてもらった。一体一年でどれぐらい詩を憶えるのか知りたかったからだ。どうやら1学期で十数首、1年で二十数首憶えるようだ。つまり小学校で百数十首の詩を憶えるということだ。うーん大変そう。彼女の教科書にこんな詩があった。
     
                    八陣図
                              杜甫
     功蓋三分国
     名成八陣図
     江流石不転
     遺恨失呑呉
     
    三国が鼎立する局面で(諸葛孔明の)功績は最大だった
    また八陣図で呉の陸逊を退け名を揚げた
    功績と名声は永遠に残ったが
    惜しむらくは劉備が呉との連合半ばで亡くなったことだ
     
    八陣図は三国志での三国による抗争も終盤に差しかかった頃、蜀が呉と争いになった際、呉の陸逊の追撃を孔明が自ら築いた八陣図という不思議な迷宮に誘いこみ打ち破るときに出てくる。休門、生門、傷門、杜門、景門、死門、驚門、開門という奇門遁甲の理論を応用して建造した一種の迷路のようなものらしい。いまでもこの八陣図が残っているという。私の想像ではイギリスのストーンサークルのようなものだったのではないかと思う。
    またこの詩の面白いのは古代中国人がさらに古い時代の中国人をしのんでいる点だ。唐(618-907)の杜甫が三国時代(220-280)の諸葛孔明に思いを馳せ、さらに、今、2006年に生きている私がそういう杜甫が書いた詩を見て唸っている。この手の詩では蘇東坡の赤壁賦が有名だ。
     
    10 July

    夏の風物誌-蝉

    夏真盛りという感じ。毎日30度を超す高温の日々が続く。気がつくと蝉の声が聞こえる。蝉の声は日本も中国も同じようだ。蝉の声が本格的な夏の到来を感じさせる。ちょうど冬に猫、こたつ、みかんの3点セットがあるように夏には蝉が合う。蝉は中国語でも蝉だが知了(zhil1 iao3)とも言う。これは中国語でジーリャオと発音し、その声からこう言うらしい。
     
      
     
          虞世南
     
    垂緌飲清露
    流響出疏桐
    居高声自遠
    非是借秋風
     
    頭を低くして樹液を飲む蝉
    声が梧桐の周りに響き渡る
    響くのは高所にいるからで
    秋風のせいじゃない
    .
    虞世南は唐代の詩人。彼はこの詩で高潔な人物なら名声や評判は自然に生じると詠っている。中国では古来、蝉は高潔な人物の象徴とみられている。それは蝉が餐風飲露(風を食べ露を飲む)で、何も食べないことに由来しているようだ。
     
     
     
     
     
     
     
    09 June

    韓非の文章論-買椟还珠

    最近、仕事の絡みでビジネス文書の書き方という本とビデオを見た。企業で勤めている時はビジネス文書、何気に書いていたが、そういえば系統的に学習した記憶はないことに気づいた。ビデオを見ているうちに報告書の構成の説明の箇所で
     
    起承転結
     
    を勧めている。
     
    長く日本を離れ、ボーダーの視点から改めてこういった日本的な方法論を眺めると若干違和感を感じる。もとは起承転結は中国の詩作の原理のひとつ。よくよく考えてみると簡潔な構成が求められるビジネス文書に合わないのではないかと思う。また国際的な論文や報告書の書き方では序論、本論、結論という構成がスタンダードらしい。
     
    そういえば中国古典にも文章論のようなものがあったのを想い出した。
     
                       買椟还珠
                                      韓非
     
    楚人有売其珠于鄭者、為木蘭之椟、薫以桂椒、綴以珠玉、飾以玫瑰、輯以羽翠。
    鄭人買其椟而还其珠。此可謂善売椟矣、未可謂善鬻珠也。
     
                       箱を買い珠を返す
                                         韓非子
     
    鄭国で真珠を売る楚国人は木蘭の木を使い精巧で香りのする箱を作り、さらに桂などの香料で燻し、その後小粒の真珠と玉を嵌め込み、さらに薔薇石と翡翠で装飾した。ひとりの鄭国人がこの箱に目をとめ購入するも、真珠は楚国人に返した。この楚国人は箱を売るのがうまいとは言えるが、真珠が売るのはうまいとは言えない。
     
    本来真珠を売るために箱に入れ飾りたてたのに人は真珠ではなく箱を買ってしまう。つまり本末顛倒という意味のようだ。
    韓非が言いたかったことは、優れた文章を真珠に、文章の飾りを箱やその他の装飾品に譬え、もし文章そのものに内容があればもうそれ以上その文章をきれいに飾りたてる必要はなく、文の構成などどうでもいいということだろう。
    だが私個人としてはやはり論文や報告書の構成は序論、本論、結論が好ましいと感じます。
     
    注:韓非(?-BC233)は秦代の法家の思想家。始皇帝から重用されるも、同僚の李斯よりその才能を恐れられ殺れる。不遇の天才思想家です。
    25 February

    中国オリジナルのコミック-天龍八部(金庸)、我為歌狂

    中国のコミックと一口に言ってもいろいろあるが,その中で重要な一角を占めるものに武侠コミックがある。つまり古代格闘マンガだ。香港や台湾ものが殆どでしかも,小説のマンガ化が多い。武侠小説と言えば金庸と言われるほど氏の作品は多く,古龍がそれに続く。両氏の作品ともドラマ化,映画化,コミック化されている。
    コミック版の中で私が好きなのは[天龍八部](金庸作/黄玉郎画)。わりと原作に忠実だし,絵も今風。ただ難を言えば,絵の構成がゴチャゴチャというか1ページの中にあまりにも多くのものを描き過ぎ,すごく見にくい。また原作もやたら登場人物が多く,日本人の好みには合わないかなあとも思う。
     
    テレビアニメでは数年前、為歌狂がヒットした。高校生たちの青春アニメだ。以前より格段に進歩したが、日本アニメをコピーした感は否めなかった。そういえば先週アニメチャンネルで中国製の囲碁のアニメをやってた。最初は日本の囲碁アニメのコピーかと思ったが、かなり中国のオリジナリティがあり面白かった。さすが中国は囲碁の国だけある。
     
    あと日本の中華一番という料理アニメが結構中国で人気があるらしく、2回ほど再放送を見た。この漫画家は大したもので、紹介される中国文化の内容は間違いがないだけではなく、たまに中国人が知らないものもあったりする。けどこの烏骨鶏が黒く描かれており、実際の烏骨鶏とは違っていた。それでも少しぐらい間違いがあってもそれを補って余りあるできばえだ。
     
     
    21 February

    ハリーポッターの炎のゴブレットと倩女幽魂(チャイニーズゴーストストーリー)

    出産前、国泰映画館で嫁さんと一緒にハリーポッターの炎のゴブレットを見た。中国系アメリカ人の女の子も出演し結構面白かった。ただ上映時間が約2時間半と長いこともあり、嫁さんの評価はイマイチだそうだ。彼女だけでなく、周囲の中国人はみな口々に余りよくないという。
     
    イギリスは伝統的に神秘思想が普及しており、フリーメーソンリー薔薇十字団も1600年代のイギリスで非常に隆盛を誇ったというし(一説にはイギリス起源説もある)、黄金の夜明け(ゴールデーンドーン)という西洋儀式魔術秘密結社も、神智学協会も19世紀末にイギリスで創設された。SF作家のコナンドイルも神秘主義にのめり込み、よく降霊会をやったという。クトゥルー神話という一大神話大系の基礎を作ったラブクラフトもイやはりギリス人だ。こう見てくるとイギリスにはなにかしらそういう神秘的なものを生み出す目に見えない不思議な力があるのかもしれない。
     
    ハリーポッターはそういう背景を持つイギリスで生まれた。個人的にはやはり子供向けかなあとは思うけど、それでも周囲の中国人が言うほど面白くないとは思えない。世界中でこれだけ人気があるのも、これらの神秘思想が、西洋世界の根幹に根づいているキリスト教精神と関係があるからかもしれない。そして共産思想と無神論で凝り固まった中国人から見たら訳が分からない映画に見えるのかも。
     
    しかし本当の理由は、中国も解放前はイギリスに負けないほどの神秘思想大国だったことも関係しているようだ。1900年代初頭の上海でチベットの僧侶が転移(中国語:破瓦)や大手印という金庸の小説にでも出てくるような密儀の伝授を公民館のような場所で頻繁に行なっていたという。中国古典小説の平妖伝(明、羅貫中)でもそれこそハリーポッター顔負けの魔法合戦が繰り広げられている。聊斉志異(清、蒲松齢)でも短篇431編に実に多種多様の化物や妖怪、怪奇現象が収められている。そういえばチャイニーズゴーストストーリーは聊斉志異を映画化したものだった。若者(レスリーチャン演)と幽霊(王祖賢演)の恋愛という発想が面白かった。これらドギツイほど現実的な中国流魔法映画と比べるとたしかに周囲の中国人がイギリス流の魔法映画を少しだけお上品でイマイチと感じるのも分かるような気がする。
     
     
     
     
    15 February

    目に映るすべてのものはメッセージ-更上一層楼

    嫁さんの出産直前、激しい陣痛が始まりそれまで漠然としていた出産という概念が急に実体化を始め、焦ったことがあった。
     
    そんな時、知り合いの
     
    子供は生むんじゃなくて生まれてくるもの
     
    という一言に癒された。当時よく呪文みたいに唱えてた。
     
    また生まれたばかりの子を見てもそれほど感動しなかった時
     
    別の方から
     
    親の子への愛情は赤ちゃんと一緒に成長する
     
    という一言もいただいた。
     
    目に映るーすべてのものーはーメーッセージ
     
    ユーミンはさしさに包まれたならでこう歌っているが、耳に聞こえるものもすべてメッセージなんだろう。
     
    自分が知らないだけで、本当は世界にはやさしさが満ちているということだろう。すべてのものは見方を変えるだけでいいものにも悪いものにもなる。
     
                                                      登鹳雀楼
     
                                                        王之渙(注)
     
                                                    白日依山尽
                                                    黄河入海流
                                                    欲穷千里目
                                                    更上一層楼
     
                                                日が山に沈み
                                                黄河が海に流れる
                                                もっと遠くを見たいなら
                                                もっと高い所に上ればいい
     
    後半の二句は現代でも多くの人が引用している。根本的な見方を変えるには自分が成長しないといけないという意味だ。これは哲理詩に分類される。前に紹介した陶宏景蘇轼の詩も哲理詩になる。唐宋の時代は理学と呼ばれる哲学が発達し、そのため当時書かれた詩もその影響を強く受けた。 
    ユーミンの曲も不思議と哲理詩が多いようだ。
     
    注:王之渙(688-742)唐朝の詩人。辺塞詩が多い。辺塞詩とは西北の関塞(玉門関など)を詠った詩。
     
                                        
     
     
     
     
    11 January

    感動! 本当にあった十字文石

    子供の頃から三国志が大好きで、NHKの人形劇はもちろん、横山光輝氏の漫画三国志もとっくの昔に読破した。高校生の頃、吉川英治の小説を読んだ。
     
    その中でずっと疑問に思っていたものがある。
     
    それは十字文石の伝説だ。
     
    これは三国物語も中盤に差掛かった頃、周瑜は、劉備に孫権の妹を娶せるという口実で劉備を誘き出し謀殺しようとするが、諸葛孔明の機転で本当に結婚することになってしまう。

     

    結婚式は甘露寺で挙行され、宴もタケナワになった頃、劉備は酔いを醒まそうと庭園に出て、そこで偶然、孫権と鉢合せしてしまう。

     

    たまたまそこに大きな石があり、劉備が もし私の宿願かなうならこの石よ、割れよ!ととなえつつ剣で石に切りつけるとものの見事に切断された。それをみた孫権もおなじことをやると、同様に切断できたという話だ。

     

    この甘露寺は、鎮江に実在するということを知った僕は早速、伝説の真偽を確かめに行った(2005年国慶節)。結果は。。。たしかに十字文石があった。想像よりも大きい。こんな大きい石の塊が剣の一振りで切断されるとは思えない。劉備が武人と言ってもたかが知れている。

     

    真実は誰にも確かめようがないが、僕はやはりこれは古代のふたりの英雄が為し遂げた奇跡と思い続けることにした。

     

    ちなみに甘露寺は今ではロマンチックな場所として有名になってました。劉備と孫権の妹が結婚した場所だから。

     

    十字文石の 写真はプロフィールにあります。

     
    10 January

    本物の曹操を見つけた!-神亀虽寿

    曹操は言うまでもなく、中国古典、三国志の主要な登場人物のひとりだ。いまさら見つけた、といわなくても三国志演義(明 代  羅貫中著  )三国志(晋代  陳寿著)で活躍してるじゃないかと思うだろう。
     
    しかし三国志演義はよく3割が史実で、7割はフィクションと言われ、一貫して蜀を正統とする立場で書かれているため、曹操も実際より悪く書かれているようだ。三国志は史書なのでかなり客観的に書かれているようだが、そこには厳粛な史実があるだけで、人間曹操の姿は浮かんで来なかった。
     
    彼には建安文学の第一人者としての顔もあり、作品のひとつにこんなのがある。
     
                          神亀虽寿、犹有竟時
     
                          腾陀乗霧、終為土灰
     
                          老骥伏枥、志在千里
     
                          烈士暮年、壮心不已
     
                          盈縮之期、不但在天
     
                          養怡之福、可得永年
     
                          幸甚至哉、歌以咏志
     
                          (歩出夏門行)
     
                        神秘な力を持つ亀は長寿だが、いつかは死ぬ
     
                        腾陀は勢い盛んで雲に乗るほどいだが、いつかは土に帰る
     
      一日に千里を走る馬は年老いて厩舎に繋がれても、心は千里の彼方を疾駆している
     
                         英雄は年老いても、壮年の心は枯れることがない
     
                         人生には限りがあるが、それは天が決めるのではない
     
                         修身と養生に努めれば、長寿が得られよう
     
                          感極まったその気持ちが、歌となりほとばしる
     
    この詩は曹操が52歳の時に北上し烏桓(少数民族)を討伐した際の作品。晩年にさしかかった彼が、まだまだ老いてないぞと自分に言いきかせる声のようだ。
     
    僕はこの詩を読んで初めて曹操と出会えたような気がしたんだ。
     
     
     
                                         
                                        
     
                                           
     
                                             
     
                                             
     
     
     
     
     
    20 December

    アジアのスーパー作家--金庸

    武術小説の超人気作家金庸原作のテレビドラマ「笑傲江湖」の再放送が始まった。
     
    今回放映されるのは中国本土製作のものだ。すでに香港では何度もドラマ化されていたが、原作との余りの違いに怒った金庸氏が、たったの1人民元でこの作品の製作権を中国のテレビ局に売り渡したという経緯があった。
     
    中国での金庸の人気は高く、女子高生までも小説の内容を実によく知っている。
     
    大学には金庸学の研究者が在籍し、有名教授による金庸学に関する一般公開講座は立ち見まで出る盛況ぶりだ。
     
     全中国人の期待を担いできあがった「笑傲江湖」大陸版。
     
    だが中国人は香港版の方が面白いといい、金庸自身も不満足だという。
     
    「中国版の方がロケも多くてきれいなのに」と個人的には中国版が好きなのだが、中国人との感覚の
     
    差を強く感じている。
     
    NNAテイクオフより
    19 December

    西遊記の秘密

    張衛健(ディッキー・チョン)主演のドラマ「孫悟空」の再放送も始まった。
     
    中国は地方局も入れると50近いチャンネルがあるため過去の多くのドラマの再放送をどこかでやている。
     
    彼の小気味よい動きなどは孫悟空のキャラクターそのままではまり役だ。
     
    西遊記は明代の呉承恩の作で、暗に朝廷の政治を批判したものだという説もある。
     
    政治の腐敗がひどく、官僚が賊に扮して民衆を襲っている現実を妖怪にたとえて風刺したのだという。
     
    たとえば、孫悟空金角、銀角を殺そうとすると、2人の主である太上老君が救出してしまう。
     
    神様が妖怪を救うということに、当時、賊を捕らえてみると実は官僚だったということを暗示しているという。
     
    そういう目で読むと、お上への怒りも感じとれる。
     
    ドラマや映画、アニメで依然として人気の高い西遊記だが、お上の蛮行を多くの人に知って欲しかった呉承恩のもくろみは成功したと言えるかもしれない。
     
     
    NNAテイクオフより
    18 December

    神秘の書、紅楼夢

    中国近代文学の第一人者、胡適が一生で300回は読んだと言われる「紅楼夢」。
     
    これは不思議な作品だ。
     
    普通、洋の東西を問わず、本というのは読めば読むほど最初の感動は薄れ、面白くなくなっていくものだが紅楼夢は読めば読むほど面白くなるという。
     
    ただし最初の3回は読み終わるのに何年もかかるし、相当の忍耐力が必要のようだ。
     
    しかし一度その難関を越えると、4回目に読む時は必ず3回目読んだ時より面白く、5回目は必ず4回目より面白いという。
     
    10回読み終えるまではまるで麻薬患者のように紅楼夢のことが頭から離れない。
     
    その後も一生、紅楼夢から離れることができなくなる。
     
    こういう人のことを紅迷(紅楼夢マニア)と呼ぶわけだ。
     
    最近、香港で出版された縦書き版を買った。私はまだ、折子劇(短編劇)やテレビドラマ、映画など原本以外の作品が好きな仮紅迷だが、この本に真紅迷になる夢を託している。
     
     
    NNAテイクオフより
    17 December

    中国人の三国志

    「三国演義」は日本で最も好まれている中国古典の1つだろう。
     
    そして日本での一番人気は諸葛孔明、それに次ぐのが劉備玄徳と言ったところか。
     
    しかし意外にも、中国では2人ともそれほど人気がないようだ。
     
    孔明は「妖怪」、劉備は「愛哭鬼(泣き虫)」とまで呼ばれることもある。
     
    この違いはどこから来るのか?おそらく日本人と中国人の民族性の違いに起因するのだろう。
     
    何でも現実的に考える中国人は、「三国演義」をビジネスや交渉のマニュアルとして見ている。
     
    そのため、赤壁の戦いで諸葛孔明の七星壇を築いて風を呼ぶといった奇跡や、ピンチになると泣き落としで困難を克服する劉備の女々しいやり方も反感を買うようだ。
     
    日本人の孔明好きは、カリスマを無意識に求める農耕民族の血のせいかもしれない。
     
     
    これもNNA時代のテイクオフです